アダルトチルドレンの方は、対人関係に悩みを抱えがちです。
理由は、自分に厳しくしすぎることで自己否定の悪循環に陥っているから。

この悪循環に陥ると、付き合い方に悩む相手に対して「どうせ相手は変わらないんだから、自分が変わらなきゃ。」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか。

この考え方は、一見理にかなっているし、良さそうに思えますが、前提として自分が変わっても対人関係が改善することはありません。
それに加えて、この考え方はアダルトチルドレンの方にとって、とても危険な考え方なのです。

今日はその理由を3つ、そして自分を変えるのが危険であるなら、実際どうしていけばよいのかについてお伝えしていきます。

自分が変わろうとすることが危険な理由３つ

１．達成感を得られない
自分に厳しいアダルトチルドレンは、結果で評価する人が多く、それまでに自分がどんなに努力しようとそのプロセスに目を向けることが苦手です。

繰り返しになりますが、そもそも自分が変わっても対人関係は改善しません。
ですから、自分が努力したところで達成感を得られず、疲弊するばかりになります。

その結果、こんなに自分が頑張った→結局いいことはなかった→自分がダメなせいだ
という自己否定の悪循環が加速してしまう危険性が高いのです。

２．相手の要求がさらに大きくなる
視点を変えてみましょう。
あなたが変わったことで、相手はどう思うでしょうか？

おそらく付き合いやすくなったと感じるでしょうし、もっと言えば自分の要求に合わせてくれる都合のいい人という印象を持つかもしれません。
そうなってしまうと、相手はどんどんあなたへの要求を大きくして、あなたの心の敷地に入ってくるようになります。

アダルトチルドレンは、もともと相手と心地よい心の距離感を取りづらいという特徴があります。
そのため、あなたへ過剰な要求をしてくる相手によって、余計にあなたが苦しむことになる可能性があるのです。

３．失敗経験としてあなたの心に刻まれる
上の２つの理由から、自分が変わることが失敗であることはお分かりになると思います。
そしてその体験そのものは、あなたの心に失敗経験として刻み込まれます。

アダルトチルドレンは、元々、このような心の痛みをたくさん経験していることが多いものです。
そして、失敗経験を積み重ねることでさらに不安や恐怖心が増大し、一層自分らしさを表に出せなくなっていく危険性があります。

自分を変えずに対人関係を改善する方法

じゃー自分を変えちゃだめなら、相手を変えるにはどうしたらいいんですか？と思われた方がいるのではないでしょうか。

相手が変わるのか？自分が変わるのか？という選択は、残念ながらどちらも間違っています。
なぜなら、相手も自分も基本的に変わる必要が無いからです。

ここで変えられるのは、相手との関係性に対するあなたの解釈です。
あなたが変わることなく、関係性に対するストレスが減っていけばOKですよね。

では、そのためにどうすればよいのか。

その第1歩は「あなたが相手のことをどう感じているかを知ること」です。
もちろん苦手としている相手に対する感情ですから、「嫌いだ」「近づきたくない」などネガティブな感情が多いと思います。

そんな感情を自分が感じていることをまずは知ってください。
ここでは自分の感情に気づいてあげることが大切なのです。

次にそのネガティブな感情をそのまま受け入れましょう。
「あの人のこと嫌いなんだね」「近づきたくないんだね」とそのまま自分に伝え返せばいいんです。
心の中で唱えてもいいし、実際に声に出してもいいでしょう。

おそらくこれまでのあなたは、そんなネガティブな感情に対して「そんな風に思っちゃいけない！」とか「そう思うから余計ダメなんだ」など厳しくジャッジしていたのではないでしょうか。

そのジャッジをやめて、相手に関するネガティブな感情をただただそのまま「そう思うんだね」と受け入れてみてください。不思議なくらい気持ちがおだやかになってきます。
なぜなら、受け入れた瞬間自己否定の悪循環が止まるからです。

この悪循環が止まるだけで、相手との関係性に対するあなたの解釈が少しずつ変わっていきます。
それに伴って、抱えるストレスも軽くなっていくのを感じると思います。

まとめ

今日は、苦手な対人関係において、あなたを変えることへの危険性と関係改善への第1歩である「感情をそのまま受け入れること」についてお伝えしました。

実際には、相手との関係性に対するあなたの解釈が変えていくには時間をかける必要があります。
なぜなら急激な変化は、大きな反発や副反応を引き起こし、逆にあなたを苦しめる可能性があるからです。
これは、心理学・脳科学によって証明されている事実です。

カウンセリングでは、対人関係に悩むあなたをよりスムーズに、そして安全確実に良い変化へと導いていきます。